自分の体験ではないが、同じ職場の田中さん(仮名)から聞いた実話。

田中さんが旅館で働いていた時に、とある部屋で鴨居に紐を括って首吊り自殺をした人がいた。
その後、その部屋は壁紙などを新調して、何事もなかったかのようにまた使うようになった。

しかし、それ以降、何故かその部屋に泊まったお客さんは、みんな上着をクローゼットに掛けないで鴨居に掛けるそうで・・・。

そしてその掛ける場所が、首を吊った時に紐を掛けていたところだった。

他の部屋に泊まったお客さんは迷わずクローゼットに掛けているのに、その部屋に泊まったお客さんだけが鴨居に掛けるので不思議だったそうだ。

そんな田中さんはある時に

「クローゼットがあるのに、どうしてそこに上着を掛けるのですか?」

とお客さんに聞いてみた。

すると、

「いや、別に気にしていなかった」

と答えた。

どうやらお客さんは無意識にそこに掛けているようだが、『何か感じるものがあるんだな』と田中さんは思ったそうだ。