中1の冬に学校のスキー合宿に行った時の話なんだけど。

当時仲のよかった6人組で班を組んで、スキー場併設のホテルみたいなとこに3泊4日泊まった。

部屋は角部屋で、勿論夜中は、翌日に響かない程度に、寝ないで遊んでた。

で、2日目の夜に定番の怖い話をした。
一人は爆睡してたので、5人で話していた。

うちらはお金持ちの友達が持ってる別荘とかで、キャンプとかお泊り会をよくしていたので、ランタンなんかも持っていってた。

で一人ずつ順番に怖い話をしていった。
適度に怖がりながらもテレビつけながらだったし、楽しく話は進んでいった。
そしたらKが

「この話は音が大事だから」

とか台無しなことを言ってテレビを消し、ランタンの灯りだけにして話し出した。

内容はよく出てくる、子どもたちだけで泊まっていたら夜、ドアをノックされて、ノックの数で相手に質問していって、何人いるの?って聞いたら家の周り全部ノックされるっていうあれ。

最後にお菓子の空き箱を叩いて音を出し、そこそこウケてた。
それで皆で「ないわー。」とか、「うちらのお泊り会の時もあったら怖くね?」とか、「あの家麻布だし、そんなんやられたら外人でしょー」とか言って盛り上がってた。

で、じゃあ次の話行きますかってなったところで


部屋が四方からノックされまくった。


とにかくスゴイたくさんの音で、壁がガンガンいってたし、軽い地震のようだった。
で、皆でギャーギャー言いながら布団かぶって、何故か見つからないようにとか考えながら、ランタンの電気切ったりして、お互い手をつなぎながらジッとしてた。

で、しばらくして音が止んで、もう本当に怖かったので、電気をつけてテレビを流しっぱなしにしながら朝まで起きていた。

翌朝、皆で合宿のしおりで確認して、隣の部屋のTが脅かそうとしてイタズラしたんじゃないか、ということで、とりあえず自分たちを納得させることにした。
Tはうちの部屋のNによくちょっかいを出していて、またうちの班の皆とも仲がよかったので、あいつならやりかねん。

という話になったのだ。

Tの部屋は大部屋だったので、あんなにたくさんの音を出せたのかな?とか言いながら朝食の時にTに聞いてみると、Tたちは夜中はグッスリ寝ていたと言うのだ。
更に、「角部屋なんだから、そもそも部屋中の壁からはノックされなくない?」と逆に疑われてしまった。

でも本当にあったんだ、と言い争いになって、自称霊感のある先生に話を聞いてもらうことになった。
先生に昨夜あったことを話すと「それは面白い」とノリノリで調査することになった。

で、部屋の外を見て回ったが、3階で登れるような足場もないので廊下か隣の部屋からしかノックできないね、という話になり、ホテルの人に聞いてもらった。

正直私はこの時点でホテルの曰く付きのエピソードが聞ける、とワクワクしていた。

で、フロントで確認してもらうと、思ってたのと少し違った話が返ってきた。
Tの部屋とうちの部屋の間は物置きスペースになっていて、普段は使わない予備の布団が入っているんだとか。
そして、その布団は今は大人数で合宿してるから全部出していて、空の部屋は鍵でしまっていると。

その物置きスペースの鍵を空けて見せてもらったが、確かに何もなく、また広くてTの部屋から叩いても、その部屋までしか音が伝わらない感じで昨夜の音とは全然違った。

先生はTが勝手にその部屋に勝手に入ったんじゃないかと疑ったが、ホテルの人が、流石にそれはないと否定していた。

では、最後の線ということで廊下側からのノックを考えたが、この合宿は先生の見回りが厳しく、初日の夜に大量に生徒が捕まって、朝まで正座の刑をくらったという情報があったので、皆部屋からは出なかったらしい。
また、先生も何度も見回っていたので、そんな大きな音がしたらすぐに見にくるよ、と言っていた。

結局じゃあなんだったんだろう、という感じになったが、まあせっかくの合宿なのでその後はスキーを満喫した。
私はいわく付きエピソードはないん??と少し寂しい気持ちになった。

後日、皆でお泊り会している時にその話になって、怖かったねー、とか言いながら、そういえばI(1人だけ爆睡してた奴)は

「あんなにうるさかったのによく寝てられたよねー。」

と聞いてみた。


すると

「本当は起きてたよ」

と言い出した。
皆起きているのに途中で寝ようとすると邪魔されるから、最初から一番奥の窓側を陣取って寝たフリをして、話だけ聞いていたそうだ。
で、怖いことを言い始めた。

あのノックの怖い話をしている間中、ずっと小さな音で窓を叩かれてたって。
そして自分だけ手をつないでもらえなくて大変怖かったそうだ。