681 本当にあった怖い名無し 2012/07/16(月) 23:36:48.56 ID:tJNiq/co0
某県の慰霊の森の話なんだけどね。
俺の叔父がずいぶん前に行ってききたんですよ、慰霊の森。
友達数人と連れ立って、慰霊碑を拝んで帰ろうってことになって、深夜の園内の階段を上ってた。
そしたら、普段はそんなキャラじゃないS田がやたらとびびる。
前を歩いてる友達に「ヤバイよ!ヤバイって…」としきりに主張し後ろを何度も振り返る。
しかし叔父たちも肝試しのノリで来ていたのでそんな事を真に受けて「じゃぁかえろう」
というものは誰も居なく、結局S田の意見は軽く受け流され一向は慰霊碑へ。
そこで、ふざけた友人の内の一人(仮にF谷)がよせばいいものを慰霊碑の前で大きく柏手を打った。
「なんだよwwなんにもおこんねえなwww」
確かにF谷の言う通りだった。幽霊が出るどころか、深夜の慰霊の森は静まり返って風音一つしない。
心霊スポットと言うからには何かしらあるのだろう。そう期待していた一行は半ば落胆しつつも、
今来た道を引き返す事にした。

682 本当にあった怖い名無し 2012/07/16(月) 23:38:05.33 ID:tJNiq/co0
帰り道、残りもあと半分に届こうか、と言う所で突如S田が声を上げた。
「ヤバイって!増えてる!走ろう!ヤバイ!」
脅えたような表情で容量を得ないような事を言うS田を叔父たちは「ビビらせるためにふざけてんだろ」
と半笑いで小突くが、S田はなおも必死の顔でヤバイ、走ろう、を繰り返す。
S田「増えてるんだって!F谷の所為だって!」
友A「何がだよwwおまえちょっとおちつけってwww」
友B「おい、なんかS田やばくね?これってほんとになんか居るんじゃ…」
S田「ああああ!アシ!アシ!もう俺帰る!」
そう言って、ついに走り出そうとしたS田。
だんだんと怖くなって来ていた叔父たちは、なんとかS田を引き止めS田に「何が見えているのか」と問い質した。
S田「やべえよ…増えてるんだよ…最初は足だけだったのにどんどん繋がってんだよ…
   そんでF谷があんな事するからなんか…見てたんだよ…絶対…そんでもうs
   ああああああああ!!」
S田は突然叫ぶと、ついに勢いよく走り出した。
先ほどから恐怖心が募っていた叔父たちもそれに弾かれるように

683 本当にあった怖い名無し 2012/07/16(月) 23:39:30.28 ID:tJNiq/co0
明るい店内に入って、皆はとりあえず落ち着いたようだった。
S田もあれほど脅えていたものはついてこなかたのか、いくらか安心した表情を浮かべている。
「で、S田。結局なんだったんだよ。さっきのは」
友人の促しに、S田は先ほどの話を詳しく反芻し始めた。
S田「最初な、あの階段のとこ。F谷段差に躓いてたろ…だから俺も気をつけようと思って足元見てみたんだよ…
   そしたらなんか誰かの足がF谷の足ひっかけてんの。おかしいじゃん。なんか足、はだしだったんだよ。
   そんで怖くなったから俺言ったけどお前ら相手にしてくんねーし、F谷は馬鹿な事するし、俺めちゃめちゃ怖かった。
   それで帰り道にさ、怖いから後ろ振り向いてみたんだよ。そしたらなんか増えてんの。
   さっきの足に太ももとか腰みたいなのがついてる。しかもなんか全部ばらばらのパーツが組み合わさってるみたいな…
   それでどんどん後ろ見るたびにそいつ体のパーツ?ミンチみたいなのが増えてってくし…
   俺怖いから逃げようと思ったけどおまえら俺の話聞かねーし。

684 本当にあった怖い名無し 2012/07/16(月) 23:40:13.54 ID:tJNiq/co0
まず一番先に、F谷が家に送られる事になった。森での事もあり一番に憔悴していたからだった。
F谷を玄関先まで送り届け、次はS田の家へ向かった。車内でのS田は押し黙ったまま一言も口を聞かなかった。
そして一行はS田の家に到着し、玄関前に車を止めた。だがS田は降りようとしない。
不思議に思った友人の一人が聞くと、S田は下を向いたまま聞いた
S田「…俺の体になんか付いてないか?」
何も付いてない、そう答えると、やっとS田は立ち上がり、車のドアを開けながらこう言った。
「俺…さっき見た。F谷、家に入る前、肩になんか…手首のっけてた…」

俺が叔父から聞いた話はこれで終わってる。
慰霊の森って言うのはぐぐればだいたい分かると思うけど、
雫石の旅客機事故の遺体が落ちた場所に作った霊園みたいな感じのところだ。
遺体は機内から投げ出されてみんなばらばらだったって聞くよ(´・ω・`)